薄毛と夫と妻の私<1> 〜育毛にハゲましはいらない〜

たまには育児に関係ない記事を書きたい。
これは薄毛の夫が気になる筆者の「育毛推進プロジェクト」の記録である。
 

夫の薄毛に気づく筆者

夫の髪にはコシが無い。
ハゲとまではいかないが頭頂部にその素質が見え隠れしている。
 
始まりはまだ結婚前、数年前のことだった。
 
当時、彼とは会社の同僚だった。
筆者の席は、振り返れば5メートル程先に夫の背中が見える場所だった。

プリンターを使用する際も何気なく視界に入る(将来の)夫の背中。もとい頭頂部。
 
「○○くん、ちょっと髪きてるよね?」
私の隣に座っている先輩は、そう私にささやいた。
 
「うーん、そうですねぇ」
 
既に彼と付き合い始めてかなり経っていた筆者は、複雑な心境でそう答えた。
(先輩は私と彼がつきあっていることを当時はまだ知らなかった)
 
まだ具体的な話が出ている段階では無いものの、もし彼が人生のパートナーとなったとしたら、薄毛は私にとって結構な問題かもしれない。
 
私はぼんやりと将来の家族像を思い描いた。
 
そう遠くない未来、私と手を繋いだ可愛い子供がいて、子供のもう片方の手を握る将来の夫もいる。姿形はぼんやりしているが幸せそうな夫の姿。
 
頭の輝いた夫の姿。
 
そこまで想像してやめた。

せめて禿げるならあと20年は待ってほしい。若旦那のハゲはいやだ。
可能なかぎりフサフサでいてほしい。これは完全な私のエゴだ。
 
しかし本人はどう思っているんだろう。
気にしているのかもしれないし、実は気づいてもいないかもしれない。
 

薄毛宣告は突然に

将来の夫(この時点では不明)は薄毛である。
これは冗談めかしてでも一度言ってみた方がいいだろうか?
本人は気づいているのだろうか。
 
そんな話を切り出そうか迷っていたおりのこと、思いがけず彼の方から話題を振られることとなった。
 
「最近数年ぶりにあった知人の第一声が「髪薄くなったね」だった」と。
 
憤慨しているわけでも無く、落ち込んでいるわけでも無い様子。
ポーカーフェイスだ。感情が読み取れない。
 
しかし私にとっては話を切り出す良いきっかけである。
今のうちに危機管理意識を持っておけば、早い段階でハゲを食い止めることができるかもしれない。
 
善は急げ。ハゲ防止は急げだ。
 
こうして将来の夫と私と薄毛の奮闘が始まった。