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先日「赤ちゃんのママが本当の気持ちをしゃべったら?」という本を読んだ。イギリスの心理療法士が多くのママ達の本音を聞き、その言葉の裏にある心裏をひも解くといった内容である。この本の中で登場するママ達の言葉があまりにも共感できたのでいくつか紹介したい。
◆産後は未知の世界!
「退院して子供を長年住んでいる部屋に降ろしたとたん、「助けて!私どうしたらいいの?」って思った。準備してきたのは全部お産のためだったのね。そのあとのことには何の備えも出来ていなかったんです」(9ヶ月、男児)
あくまで自分の経験談だが、妊娠中はお腹の赤ちゃんが大きくなるにつれ、いよいよ自分が母親になるのか…と漠然とした不安と興奮を覚えたように記憶している。
ただ想像するのは、まだ見ぬ我が子と遊ぶ自分の姿。
「産後は寝れない」とか「育児は大変」と人から聞いてはいたものの、どこか自分の思い描く育児とは結びつかなかった。
それが出産した日を境に何かがガラリと変わった。目の前に現れた小さな赤ちゃんは、まるで自分が今までお腹の中に抱えていた子とは別の人格を持っているかのように感じた。
この子が何を求めて泣いているのか分からず、おむつ替えもうまくできない。授乳もこんなに難しいなんて知らなかった。赤ちゃんがおっぱいを咥えるタイミングもつかめず、うまく飲ますことも出来ない。
何よりもショックを受けたのは、出産して初めて経験する「母親としての責任」だった。
妊娠中からお腹の子を守るために出来る限りの事をして、自分なりに母親としての自覚を持ってきたつもりだった。しかしこれが我が子と初めて対面した時、あまりの落差に愕然とする。自分はこの子を守る為に何をすべきがが分からない。何が最善かなんて誰も教えてくれない。
本の中でとある女性が「妊娠・出産で不思議なのは、一つの流れとしてつながっていることなのに、心理的にはまったく違う流れのなかにあることだ。」と発言しているが、まさにそうである。
容赦なく泣く我が子はいのちの叫びそのものであり、その子を守る全責任を自分が負っている。出産直後でまだ興奮状態のなか、このあまりにも大きな変化についていけず、著者はほとんどパニック状態だった。
「こんな気持ちになるなんて思っていなかった。なんとしてもこの子を守らなきゃって。私がこの子を生かしているんだって。それって怖いわよね。」(2週間、女児)
◆想像もしなかった目線から物事を捉えるように
「毎晩目を覚ますと、今日はこの子をどこに連れていこうかって考えます。行き帰りの計画もたてるの。階段があるか、ベビーカーをどうしようかとか。前みたいに気軽にでかけるわけにはいかないから。」(3ヶ月、男児)
今まで自分が過ごしてきた日常生活のなかに、これほど赤ちゃん連れにとって安心出来ない状況が潜んでいるとは思いもよらなかった。
電車が混む時間帯を避け、万一に備えミルクやお湯、おむつや着替えを準備する。外での授乳はどこで出来るか?電車でぐずった時、泣き止ませる為に新しいおもちゃを持っていこうか?駅や施設内にエレベーターは完備されているだろうか?外出先は子連れや子連れに慣れている人が多い場所だろうか?
何でもなかった風景が、子を持った瞬間全く違う世界に見えてくる。
今まで赤ちゃんを連れたお母さんを色んな所で見かけてはいたが、一見楽しそうに見えるお母さんがどれだけ周囲に目を光らせていたことか。
自分が当事者になって初めて気づいた。
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