育児日記:2.むすことわたし「初めての授乳」

妊娠・出産・育児を個人的に振り返りたいだけです。

戸惑いだらけの授乳

「じゃあ母乳をあげてみましょう」

助産師さんに促されるまま授乳室に向かいます。

それにしても出産直後は股が痛かったです。ただでさえ激痛が走るので腰掛けるのは非常にためらわれました。

恐る恐る抱いているキウイのような息子の頭が通ってきたのかと思うと、とても信じられません。痛いはずです。

妊娠・出産を経験して、本当に人間の身体はよくできているなぁと感心することが何度もありましたが、母乳に関しても同じでした。

出産直後に母乳の生成が始まるらしく、ほんの数滴ではありますが確かに出ていました。

しかしながらこの時は本当に数滴で、人によっては捨ててしまおうかという歯ブラシチューブに僅かながらの期待を込めるといった感覚に近いです。

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そんな僅かな母乳を求めて我が子は口を開けたり閉じたりします。

「口を大きく開けたときに近づけて咥えさせましょう」

とのことなので、タイミングを見計らって「今だ」という時に息子の口に押し込みます。

これが結構難しい。

小学生のころ「川のぬし釣り」というTVゲームがあり、釣竿につけた疑似餌をうまく動かしながらパクパク口を開ける魚にタイミングよく食いつかせるといったもので、私は結構得意なほうでした。

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しかしながら息子は母乳をちらつかせてもいまいち食いついてもらうタイミングがつかめません。

上手く吸い付いてくれれば音を立てずに飲むそうですが、失敗すればちゅぱちゅぱと浅吸いになってしまい、飲んでいるようで全く飲めていないとのこと。

もう少し胸が大きかったら楽なのだろうか…などと思いながらも角度を変えてみたり、抱き方を変えてみたりと悪戦苦闘していた記憶があります。

おにぎり息子と

私が利用した病院は母子同室だったため、初めてのおむつ交換と授乳が終わったら息子と一緒に病室へ戻りました。

ここで出産後はじめて息子と2人きり。改めておにぎりのようにタオルで包まれた彼をまじまじと見つめてみます。

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髪の毛は薄い方だな。鼻はお父さん似かな?耳たぶが大きいけど、誰に似たんだろう..?

つい数時間前までお腹にいたなんて何だか信じられない気持ちでした。(不思議なもので、出産してしばらくは胎動に似たものを感じていました)

妊娠中は文字どおり一心同体で、お腹を蹴らたりしゃっくりされても「よしよし今日も元気だね」なんて言っていたのですが、目の前に登場した我が子を見ると、そんな10ヶ月間のやり取りが全てリセットされたような、まったく別の人格をもった生き物に感じました。

オムツ交換にしても母乳にしても、出産前にある程度心得ていたつもりだったのに全然役に立っていません。

10時間以上にわたる陣痛からの出産でただでさえまだ興奮冷めやらぬ状態なのに、次々起こる想定外の出来事に頭がついていかない、この時はそんな状態でした。

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